• 2024年2月29日
  • 2024年2月25日

旬の野菜で血糖コントロール!おすすめの春野菜3選を紹介

中野駅前内科クリニック 糖尿病・内分泌内科の管理栄養士、武居ひろ子です。寒い日が続いていますが、少しずつ日が伸びてきて、日中は太陽の暖かさを感じるようになりました。

 

春は色とりどりの花とまぶしいくらいの若葉に力強さを感じますね。新緑の季節には、この時期にしか食べることのできない野菜が出回ります。せっかく四季のある日本にいるのですから、大いに春野菜を楽しみたいものです。

 

野菜にはさまざまな効能がありますが、血糖をコントロールするためには野菜が欠かせません。食事ごとに食物繊維が豊富な野菜を摂取すると良いでしょう。特に空腹の時は、白いご飯に手が伸びがちですが、このような時こそ主食以外の食品を先に摂取した方が食後の血糖上昇が抑えられます。

 

 

食後高血糖のリスクと食事について

糖尿病患者さんの食後高血糖については、当クリニックの院長がブログ「血糖変動とHbA1cについて」で触れていますが、DECODE研究やDECODA研究などで食後高血糖によって死亡のリスクが高まるという報告もされています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10526732) (https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14985967)

 

そのため、野菜や魚、肉などのおかずを先に食べ、血糖値を直接上昇させる主食(ごはん、パン、麺類)を食事の後半で食べることが大事です。

特に水溶性食物繊維は、空腹感を減らし、過食を抑える効果や腸内細菌の環境改善効果などがあるためおすすめです。水溶性食物繊維を多く含む食品は、以下に示すものですので、食事をする際に参考にしていただければと思います。

・海藻:のり、わかめ、ひじき、めかぶ、もずくなど

・野菜:ごぼう、ほうれんそう、オクラなど

・穀類:オーツ麦、ライ麦、大麦など

・豆類:納豆、いんげん豆など

 

野菜を上手く摂取するには

厚生労働省の「健康日本21」では、1日あたりの野菜摂取量を350 g以上と推奨しており、これは小鉢で1日5~6品くらいとなります。

 

野菜と聞くと生のサラダを想像する方が多いかもしれませんが、煮たり焼いたり、茹でたりするなど、お好みの料理法で構いません。また、調理をしない方には冷凍野菜も手軽で利用しやすいです。まずは野菜を食べる習慣を身につけることが重要です。

 

現在、私たちの1日の野菜摂取量の平均は、男性が280 g、女性が270 gであり、目標の350 gに達していません。年齢別に見ると、20~40歳代の男女ともに摂取量が少なく、20歳代では男女ともに約200 g程度にとどまっています。

 

そこで、春の野菜を積極的に取り入れて摂取量を増やしてみましょう。春野菜は独特の苦味がありますが、この苦味は新陳代謝を促進し、胃腸の働きを助けてくれます。

 

冬の寒さを乗り越えて芽吹いた野菜は栄養価が豊富です。特にタケノコ、新玉ねぎ、マッシュルームはこの時期におすすめです。その理由については、次の項目で詳しく解説したいと思います。

 

 

タケノコ

タケノコは、孟宗竹の地下茎から伸びた若い茎の部分を食用とします。選ぶ際は、切り口の断面が白く、頭の部分が黄色でツヤのある穂先が開いていないものを選びましょう。時間と共に苦味が増すため、すぐにゆでてください。その後は水に浸して冷蔵庫で保存しましょう。

 

独特のえぐみはシュウ酸やホモゲンチジン酸などによるもので、掘り出した後は増加します。これらはカルシウムの吸収を悪くして結石の原因となるため、アク抜きをしてから食べるようにしましょう。

 

タケノコにはカリウムやマンガン、食物繊維が豊富に含まれていますので、タケノコを使った炊き込みご飯や煮物、炒め物などがおすすめです。

 

 

新玉ねぎ

新玉ねぎは、温暖な地域で3~4月頃に収穫される早取りのたまねぎの総称です。新たまねぎは「黄たまねぎ」や「白たまねぎ」を収穫後すぐに出荷したものです。

 

新たまねぎは乾燥させずに直ちに出荷されるため、みずみずしくて肉質が柔らかく、辛味が少なく感じられます。特に有効成分として知られるのは、鼻や目にピリッとした刺激を与える硫化アリルです。

 

硫化アリルは胃の働きを活発にし、また含まれるポリフェノールは血液をサラサラにし、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)の上昇を抑えてくれます。

 

生でもサラダにすることができますし、加熱しても美味しくいただけるため、幅広い料理に活用できるのでおすすめです。

 

 

マッシュルーム

キノコは秋が旬のイメージですが、マッシュルームは春に多く出回ります。土や汚れがついていた場合は、水で洗うと香りが飛びやすくなるため、渇いた布でぬぐい取るのが良いでしょう。

 

生のままサラダにして食べることも良いですし、シンプルにソテーや焼いていただくだけでも旨味が豊富なのでおすすめです。

 

最後に

旬の野菜は美味しくて栄養価も高く、無理なく血糖値を改善するにはもってこいの食材です。

 

私は当クリニックの管理栄養士として、主に第2・第4月曜日の午後に患者さん向けの栄養指導を行っています。血糖値が下がらずお悩みの方は、ぜひ一度当クリニックの栄養指導を受けにいらしてみてください。

 

【参考】

・令和元年 国民健康栄養調査結果の概要

・農林水産省:消費者相談 過去の相談事例 ・旬の野菜と魚の栄養辞典 株)エクスナレッジ 監修:吉田企世子

中野駅前内科クリニック糖尿病・内分泌内科 03-3382-1071 ホームページ