- 2023年9月21日
- 2024年1月28日
当院における感染症対策と予防接種について
院長コラムの第4回目は感染症に関するテーマです。
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザウイルス感染症についての注意点と、当クリニックにおける感染症対策の取り組みについてお話しさせていただきます。
東京都が2023年9月14日に発表したデータによりますと、9月4日~10日の新型コロナウイルス感染症の1定点医療機関あたりの患者報告数は16.36人で、第8波のピークだった昨年12月の19.78人に迫る状況となっています。そのため、まさに第9波の真っ最中と考えて良いと思います。
またインフルエンザは1定点医療機関あたり5.95人で、前の週の2.95人を大幅に上回っています。流行の目安とされる1.0人を大きく上回っており、季節外れの流行と考えて良いと思います。
つまり、現在は異例とも言える2つのウイルス感染症の流行期となっています。冬になれば空気も乾燥するため、更なる感染拡大も考えられます。そのため、感染予防の基本とも言える手洗いとうがいがより重要になります。
手洗いについては、ついつい適当になりがちですが、少し時間をかけて丁寧に行うことが大切です。手洗いが雑になると、手に付着した細菌(ばい菌)やウイルスが手に残存し、その手を使って口や鼻を触ることで感染してしまいます。さらに周りの人にもうつすことで、感染の拡大に繋がる恐れもあります。そのため、手洗いは基本をしっかり理解し、日々実行していくことが大切です。
正しい手洗いの手順は、まず石けんをつけて手のひらをあわせてよく洗ってください。そして、次に手の甲や指先や指の間を洗い、最後に手首を洗うようにしてください。
手洗いが済みましたら、そのあとにアルコール手指消毒をすることをおすすめします。アルコール手指消毒は、石けんによる手洗いよりも除菌効果が約5~50倍あるといわれており、手洗いだけの手指衛生よりもアルコール手指消毒を追加することで感染予防効果が大いに高まります。
またうがいも大切です。普段からうがい薬を使っている方もいらっしゃると思いますが、当クリニックではうがい薬を使わない水うがいを推奨しています。それは、ヨードうがい薬と水うがいを比較した京都大学で行われた臨床研究より、水うがいが最も感染予防に優れているという結果があるからです。(https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0749379705002588)
また、ヨードうがい液を多用すると、ヨード過剰摂取による甲状腺機能低下症のリスクもあります。このようなことから、感染予防のためのうがいについては、水うがいが最善と考えます。
ただし、これらの対策をしても新型コロナウイルス感染症またはインフルエンザウイルス感染症に罹ってしまうことはあります。そのような場合、当クリニックでは地域の皆さんのため発熱外来を常時開設しておりますので、お気軽にご相談ください。
当クリニックは糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者さんが多く来院されます。そのため、発熱患者さんと他の患者さんが極力接触しないようにしています。
発熱外来を受診される場合は、来院される前に予約をしていただきます。予約が完了されましたら、階段で当クリニックの2階入口まで来ていただき当クリニックにお電話ください。そうしましたら、スタッフの誘導により第1診察室に入っていただき、完全に隔離して検査と診察をさせていただきます。
発熱患者さんは、当クリニックでは40分間隔で来院するシステムとしているため、発熱患者さん同士が接触することも基本的にはありません。そのため、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザウイルス感染症ではなかったのに関わらず、医療機関に行って新型コロナウイルス感染症またはインフルエンザウイルス感染症に罹ってしまうリスクも少なくなります。
また当クリニックでは待合室に大型の空気清浄機を設置し、また定期的に換気も行っております。発熱患者さんもそうではない患者さんも安心して受診できる体制ですので、お困りの際は是非当クリニックにご相談ください。
当クリニックでは、感染予防のためのワクチン接種にも力を入れております。コロナワクチンについては、ファイザー社のオミクロン株XBB.1.5系統対応のワクチンを2023年9月28日から毎週木曜と土曜に接種を行います。予約につきましては、Webまたはお電話でのご予約をお願いいたします。
またインフルエンザワクチンについては、2023年10月2日より接種開始となります。こちらは診療日であれば予約なしでも受けられますので、是非ともご活用ください。
インフルエンザワクチンは、当クリニックでは13歳未満の方が3,500円、13歳以上の方は3800円になります。ただし、生後6ヶ月から中学3年生までは中野区の一部助成により、窓口負担額が1,000円割り引かれます。
また65歳以上の方や、60~64歳の方で心臓・腎臓・呼吸器・免疫機能のいずれかに身体障害者手帳1級相当の障害のある方は、高齢者インフルエンザ予防接種を2,500円で受けることができます。
今年は特に秋から感染予防を徹底することが非常に重要です。当クリニックも地域の皆様の健康を支える一翼を担えればと考えています。