- 2023年8月26日
- 2023年9月26日
クリニック開院のご挨拶
2023年9月4日に開院します、中野駅前内科クリニック 糖尿病・内分泌内科 院長の大庭健史(おおば たけし)です。地元である中野の地域医療に貢献したいとの思いから、2023年3月に大学病院を退職し、このクリニックを開業する運びとなりました。
私は、大学卒業後に日本医科大学付属病院で研修し、その後同院の糖尿病・内分泌内科に所属しました。後期研修医(現在の専攻医)として、2年にわたって糖尿病および内分泌代謝科領域を中心に内科医としての基礎を学びました。後期研修医としての期間を終えた後は、研究者としての道を目指し日本医科大学大学院医学研究科に所属しつつ、同院および関連病院で内科医として勤務してまいりました。
大学院では、糖尿病患者さんにおける術後合併症を軽減することを目指した臨床研究を行いました。2012年から2018年までの7年間、日本医科大学付属病院に入院した2271名の2型糖尿病患者のデータを基に研究を実施しました。
この研究から、術後の平均血糖値が150 mg/dL以下であることが望ましいことが示され、また術後の平均血糖値が10 mg/dL上昇するごとに術後合併症が約1.11倍増加することが明らかになりました。これらの成果は、2022年に英文誌「Therapeutic Advances in Endocrinology and Metabolism」に掲載されました。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35646304/)
これとは別に、新規医療機器の特定臨床研究である「2型糖尿病患者における遠隔虚血プレコンディショニングによる耐糖能改善効果の検討」について、私が研究計画書を作成した上で実施しました。この研究では、マウスで血糖低下作用を認めた手法を応用した医療機器を用いて、第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験という初期の試験を行いました。この医療機器の実用化のめどはたっていませんが、糖尿病の新たな治療法に向けた研究に深く関わることができたことは、研究者冥利に尽きます。
また、内科医としては、東日本唯一の国が指定する結核「高度専門施設」である複十字病院に半年間出向し、結核を含む感染症患者さんや肺がん患者さんの血糖管理を担当いたしました。そこで、外科手術だけでなく感染症に対しても血糖管理がいかに重要かを改めて認識しました。感染症の専門病院での経験は、新型コロナウイルス感染症の流行期に出向した日本医科大学千葉北総病院および日本医科大学武蔵小杉病院で大いに役立ちました。
このように、研究だけでなく内科医としての様々な経験を積んだ後、糖尿病専門医および内分泌代謝科専門医の資格を取得し、その後内分泌代謝・糖尿病内科領域専門研修指導医も取得しました。また、大学院を卒業して学位も取得することができました。そこで、以前からいつかは地元である中野の地域医療に貢献したいという強い気持ちがあったため、研究者および勤務医の職を離れ、中野駅前内科クリニック 糖尿病・内分泌内科を開業することを決意いたしました。
今までの経験を活かし、地域の皆さんの「かかりつけ医」として、わかりやすく丁寧な説明を心がけ、ご納得いただける質の高い医療を提供してまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
中野駅前内科クリニック 糖尿病・内分泌内科
院長 大庭 健史