• 2024年10月17日
  • 2024年9月17日

糖尿病患者さんがコンビニ食と上手くつきあう6つのコツとは!

中野駅前内科クリニック 糖尿病・内分泌内科の管理栄養士、武居ひろ子です。

 

近年、コンビニ各社が力を入れているお弁当やお惣菜は、私たちの日常生活にすっかり浸透しています。特に忙しい毎日を送る方にとって、コンビニは頼もしい味方です。

 

患者さんのお食事内容を伺っても、コンビニやスーパーの総菜をまったく利用しないという方は非常に少ない印象です。

 

コンビニを利用する理由は、手軽で美味しいからだけではありません。

 

調理はできるものの、食材を無駄にしたくないという一人暮らしの方や、店舗が近所にありすぐに買いに行ける便利さを重視する方も多いです。

 

特に、今年のような猛暑で外出が難しい日や、高齢の方にとっては、近くにあるコンビニは非常に助かる存在です。

 

そこで今回は「糖尿病患者さんがコンビニ食と上手くつきあう6つのコツとは!」というテーマでお話させていただきます。

 

 

コンビニ食で食事を整える

それでは、私たちの生活に欠かせないコンビニ商品を活用して、血糖コントロールをより良く保つために、どのような選択をすれば良いかを考えていきましょう。

 

コンビニで商品を選ぶ際も、基本は食事のバランスを意識することが大切です。

 

バランスの良い食事とは、主食(糖質)、主菜(たんぱく質、脂質)、副菜(食物繊維、ビタミン、ミネラル)をしっかり揃えることを指します。

 

そこで、以下の6つのステップに分けて、コンビニ食を上手に活用する方法をお話しします。

 

まずは商品を食材別に主食、主菜、副菜のいずれかにふりわけてみましょう。

・主食:おにぎり、麺類、パン類、丼もの(これらは血糖を直接上げる糖質の食品になります)

・主菜:ゆで卵、唐揚げ、おでんのちくわ・つみれなどの練り物、牛すじ、焼き鳥、魚の焼き物など

・副菜:各種のサラダ、野菜の煮物、野菜が主になっている炒め物

 

主食(糖質)の食品は1品にする

血糖値を直接上げる食材は、主食となる食品やお菓子、ジュースなどの糖質を含むものです。そのため、主食は1品に絞るように心がけましょう。

 

もし通院先で具体的に主食(ごはん、パン、麺類)の量を指示されている場合は、その量に従いましょう。

 

また、お弁当を購入する際は、米飯が少なめのものを選ぶのが良いです。市販のお弁当に入っているご飯は、見た目以上に多く、200g以上入っていることがよくあります。

 

 

主菜(たんぱく質、脂質)の食品を組み合わせる

丼ものやサンドイッチなど、主食と主菜が組み合わさった料理は多いですが、1食あたりのたんぱく質が不足している場合は、追加で補うことが必要です。

 

肉、魚、豆製品、卵などの食材が使われているかを確認しましょう。

 

たんぱく質は、栄養面で重要なだけでなく、主食と一緒に摂ることで血糖値の上昇を緩やかにする効果もあります。そのため、主菜はできる限り毎食取り入れると良いでしょう。

 

副菜(野菜、きのこ、海藻)を1~2品選ぶ

コンビニの商品で不足しがちなのは、副菜である野菜やきのこ、海藻を使った料理です。

 

最近では、カット野菜が手軽に購入できるので、積極的に利用しましょう。

 

これらの食材は食物繊維、ミネラル、ビタミンが豊富で、血糖値の急上昇を抑える効果があります。

 

特に海藻に多く含まれるフコイダンやアルギン酸といった食物繊維は、体内で消化されず、糖質や脂質を吸着して体外に排出してくれます。

 

当クリニック院長のブログ「昆布はたくさん食べると甲状腺に悪影響というのは本当?」でも紹介しているように、お米にわかめを混ぜることで、食後高血糖を改善する効果があると報告されています。(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31418121)

 

(引用:Plant Foods Hum Nutr 2019; 74: 461-467)

 

水分は無糖の水やお茶にする

水分で余分な糖質を摂らないように気をつけましょう。清涼飲料水を過剰に摂ると、糖尿病が急速に悪化する可能性があるため、注意が必要です。

 

塩分は控えめにする

出来合いの料理には塩分が多く含まれていることがあるため、栄養表示を参考にし、1食あたり2~3 gを目安にしましょう。付属のタレやドレッシングはすべてを使わず、残すように心がけてください。

 

 

まとめ

今回、コンビニ食と上手に付き合うための6つのコツについてお話しましたが、これらをすべて守って食事をするのは少し難しいかもしれません。

 

そのため、毎日すべての食事をコンビニで済ませるのではなく、時々コンビニ食をメインにしたり、おかずを1品追加するなど、バランスを意識して利用するのが良いと思います。

 

また、食事のことや血糖値が下がらないことなどでお悩みの方は、一度当クリニックの栄養相談を受けていただくことをお勧めしています。

 

主に毎月第2・第4月曜日の14:30~17:30に、糖尿病や脂質異常症など生活習慣病をお持ちの方を対象に栄養相談を行っています。

 

栄養相談では、お一人あたり20分以上の時間をかけ、食事に関するご相談やアドバイスをしっかりと行います。

 

もし日程が合わず栄養相談を受けられない場合は、当クリニック院長のブログ「糖尿病の食事療法と当クリニックの栄養指導について」も参考にしていただければと思います。

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