喫煙が体に与える影響について

喫煙は身体にさまざまな悪影響を及ぼすとされています。
主に以下の3つの疾患のリスクを高めることが知られています。
- 悪性腫瘍(がん):日本人の約2人に1人が「がん」にかかり、約3人に1人が「がん」で亡くなるといわれています。喫煙は、肺がんをはじめとする多くのがんの発症リスクを高めます。そのため、禁煙はがん予防の重要な一歩となります。
- 動脈硬化性疾患:喫煙は、血管の内側に損傷を与えたり炎症を引き起こしたり、血液の凝固を促進したりすることで、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患のリスクを高めます。禁煙することで、これらのリスクは大幅に低下します。
- 呼吸器疾患:喫煙は呼吸器系にも大きな影響を及ぼし、気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症・進行を促進することがあります。また、咳や痰が増加し、呼吸の質が低下することも少なくありません。
また、喫煙による健康被害は喫煙者本人だけでなく、周囲の人々にも及びます(受動喫煙)。
タバコの煙に含まれる有害物質は、同じ空間にいる人々の健康にも悪影響を与える可能性があります。「禁煙したい」というお気持ちがある方は、ぜひ当クリニックの禁煙外来にご相談ください。
タバコがやめられない理由について
いつでもタバコをやめられると思っていたのにやめられないことや、禁煙できたと思ったのについ吸ってしまうことは、よくあることです。禁煙が難しい理由の一つは、タバコに含まれるニコチンへの強い依存性にあります。ニコチンは、脳内のドーパミンという神経伝達物質を放出させ、強い快感が得られます。この快感を求める行動が喫煙習慣となり、その快感から離れることが難しい状態がニコチン依存症とされ、これを自力で克服することは難しいです。
日本医師会ホームページより
ニコチン依存症の診断について
ニコチン依存症の診断については、以下に示すニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS)を行い、5つ以上あてはまると「ニコチン依存症」と診断されます。
- 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか?
- 禁煙や本数を減らそうとしてできなかったことがありましたか?
- 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか?
- 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、次のどれかがありましたか? (イライラ、 神経質、 落ちつかない、 集中しにくい、 頭痛、 眠気、 胃のむかつき、 心拍が遅い、 食欲または体重増加、 手の震え、 憂鬱)
- 上記の症状を起こさないために、 またタバコを吸い始めたことがありましたか?
- 重い病気にかかったとき、 タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか?
- タバコが健康問題を引き起こすとわかっていても吸い続けることがありましたか?
- タバコが精神的問題を引き起こすとわかっていても吸い続けることがありましたか?
- タバコに依存していると感じたことがありますか?
- タバコを吸えないような仕事や社会活動を諦めることがありましたか?
保険診療でできる禁煙治療について
保険診療で禁煙治療を受ける条件は、35歳未満もしくはブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上であること、ニコチン依存症と診断されていること、そして禁煙への意志があり、医師から受けた禁煙治療の説明に同意することです。
現在、禁煙補助薬のチャンピックスの出荷が停止しているため、当クリニックではニコチネルTTS(貼り薬)を処方しています。
禁煙治療の流れ
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初回診察
ニコチネル TTS30を1日1枚、2週間使用します。
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2週間後の再診(1回目)
ニコチネル TTS30を1日1枚、2週間使用します。
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4週間後の再診(2回目)
ニコチネル TTS20を1日1枚、2週間使用します。その後、ニコチネル TTS10を1日1枚、2週間使用します。
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8週間後の再診(3回目)
ここでは処方はございません。
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12週間後の再診(4回目)
ここで禁煙治療が完了です。