発熱・咳・のどの痛みなどの症状がある方へ

感冒症状(発熱・咳・のどの痛みなど)がある方は、当クリニックの発熱外来受診をお願いしています。発熱外来は予約制です。検査の進め方と予約などにつきましてはこちらをご覧ください。ご不明な点がありましたら、お電話でお問い合わせください。
患者さんおよびスタッフの安全のため、受診されましたら原則は新型コロナウイルスとインフルエンザの抗原検査を行い、その結果が出てから医師の診察になります。何卒ご理解のほどよろしくお願いします。
風邪・新型コロナウイルス感染症・
インフルエンザウイルス感染症について
風邪と新型コロナウイルス感染症とインフルエンザウイルス感染症は、いずれもウイルスによって引き起こされるもので、広い意味ではいずれも同じ「かぜ症候群」になります。そのため、いずれの病気も経過と予後は少しずつ異なりますが、それを問診と身体診察だけで区別することは難しい場合があります。
そのため当クリニックの発熱外来では、まずコロナウイルスとインフルエンザの抗原検査を行います。抗原検査の結果は10分ほどで出ますので、結果が出るまで感染症専用の診察室でお待ちいただきます。結果がでましたら医師の診察となり、その後の対応についてご説明させていただきます。
コロナウイルスとインフルエンザの抗原検査が陰性であった場合、症状の経過から新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんには、コロナウイルスのPCR検査をお勧めする場合があります。翌日の夕方に結果が出ますので、結果が出次第お電話で結果をご報告させていただきます。
新型コロナウイルス感染症の治療について
風邪については、既存の治療薬による治療になります。一方、新型コロナウイルス感染症については、重症化リスク因子(高齢者、2型糖尿病の方、がんの治療中の方など)の有無によって治療が変わってきます。
重症化リスク因子がない場合は、通常の風邪と同じく対症療法(症状を和らげる治療)が中心となります。また新型コロナウイルス感染症の治療薬のゾコーバも使用できますが、2024年3月31日で公費支援が終了となるため、5,185~15,555円ほどの自己負担が発生します。
そのためゾコーバの使用については、比較的症状の重い方が使用されるのが良いです。
また重症化リスク因子がある場合は、通常の風邪の治療とは異なり新型コロナウイルス感染症の治療薬であるパキロビッドパックまたはラゲブリオによる治療が推奨されます。これらの治療薬も9,431~29,708円ほど自己負担が発生するため、お一人おひとりの症状や既往をみて、その必要性について判断させていただきます。なお、新型コロナウイルス感染症治療薬のより詳しい説明については、こちらをご覧ください。
新型コロナウイルス感染症の後遺症について
新型コロナウイルス感染症の治療・療養が終わっても、症状がなかなか改善しない場合があります。これを新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)といいます。代表的な症状には、咳、痰、息切れ、胸痛、倦怠感、疲労感、関節痛、筋肉痛、筋力低下、抜け毛、頭痛、集中力低下、記憶障害、不眠、うつ状態、嗅覚・味覚障害、動悸、腹痛、下痢などがあります。後遺症は、時間の経過とともに徐々に改善していくことが多いとされていますが、個人差が大きく、時には半年以上続くようなこともあります。
後遺症は、一般的な薬剤(いわゆる西洋医学)だけでは改善しないことも多く、漢方薬(東洋医学)を併用して治療を行うこともあります。後遺症でお悩みの方は、当クリニックにご相談ください。
インフルエンザウイルス感染症の治療について
インフルエンザ感染症の主な治療法は、抗インフルエンザウイルス薬の使用です。抗インフルエンザウイルス薬には以下の5つがあります。
- 経口薬:タミフル(オセルタミビル)、ゾフルーザ(バロキサビルマルボキシル)
- 吸入薬:イナビル(ラニナミビル)、リレンザ(ザナミビル)
- 注射薬:ラピアクタ(ペラミビル)
これらの薬剤は、発症から48時間以内に使用するとウイルスの増殖を抑え、発熱や倦怠感などの症状の改善が早まります。また、インフルエンザウイルスの体外への排出も減少することから、周りの人への感染も抑えることができます。
当クリニックでは、比較的安価な上、臨床試験で良好な治療成績を示したタミフル、もしくは1回分吸入するだけで治療が終了するイナビルの使用をおすすめしています。
なお、インフルエンザウイルス感染症に関する詳しい説明についてはこちらをご覧ください。
風疹
風疹は、発熱・発疹・リンパ節の腫れを特徴とするウイルス性発疹症です。風疹の発疹は、体の広範囲に赤い小さなブツブツが生じ、次第に広がっていきます。主な感染経路は、咳やくしゃみによる飛沫感染で、潜伏期間(約2~3週間)を経て発症します。小児期に感染しやすく、通常は積極的な治療をしなくても、3~5日程度で症状は自然に治まります。
しかし、成人の感染には注意が必要です。特に妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんも風疹ウイルスに感染し、「先天性風疹症候群」を引き起こす可能性があります。これにより、難聴や先天性心疾患、白内障などの障害が生じるリスクが高まります。そのため、事前に風疹抗体検査を受け、免疫がないと判定された場合は、風疹ワクチンを接種することが重要です。ただし、妊娠中はワクチンを接種できないため、妊娠前の対策が特に重要となります。
麻疹
麻疹は、「はしか」とも呼ばれる感染症で、約10日の潜伏期間を経て発症します。初期症状として、咳、鼻水、喉の痛みなどの風邪に似た症状とともに、高熱がみられます。
発症から約3日後には、全身に赤い発疹が広がり、口の中に小さな白い斑点(コプリック斑)が現れるのが特徴です。さらに、中耳炎、心筋炎、気管支炎などの合併症を引き起こすことがあり、特に肺炎や脳炎を併発すると、命に関わる危険性があるため、早めの受診が重要です。
水痘
水痘は、一般的に「みずぼうそう」と呼ばれる感染症で、水痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。感染力が非常に強く、主に空気感染で広がります。
主な症状は発熱と発疹ですが、食欲低下や頭痛を伴うこともあります。初めに頭部や腹部を中心に赤い発疹が現れ、短時間で全身に広がって水ぶくれになります。
その後、これらは次第に膿を持った膿疱へと変化し、最終的に痂皮(カサブタ)となって治癒します。ただし、痂皮化するまでは感染力が残っているため、それまでは自宅で安静にすることが重要です。
流行性耳下腺炎
流行性耳下腺炎は、一般的に「おたふくかぜ」と呼ばれ、ムンプスウイルスによる感染症です。潜伏期間は2~3週間程度で、主に飛沫感染や接触感染が感染経路となります。
主な症状は、発熱と唾液腺の腫れや痛みです。腫れは通常、1週間程度続き、徐々に治まります。
しかし、無菌性髄膜炎、精巣炎、難聴、卵巣炎、膵炎などの重篤な合併症を併発することがあるため、注意が必要です。腫れや高熱がなかなか治まらない、または激しい頭痛や嘔吐などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。